スマートフォンのアラーム音に手を伸ばすと、それを止めた。

ゆっくりと目を開けると、見なれない天井がそこにあった。

驚いたのはほんの一瞬だけで、すぐに自分が今いる場所を思い出した。

そうだ、昨日からお世話になることになったんだ。

躰を起こすと、
「――うーん…」
と、伸びをした。

昨日までは物置代わりとして使っていたと言う部屋を見回すと、時間を確認するためにスマートフォンの画面に視線を落とした。

時間は午前11時を過ぎたところだった。

「えっ、もうこんな時間!?」

慌ててふとんから出ると、リビングへと続くドアを開けた。