「…さん、……づきさん…香月さん」



クラスメイトの声で目が覚める。



まずは真っ黒な髪が目に付く。


次に顔を上げると呼んでくれたクラスメイトが立っている。



「もう放課後だよ…?」



親切心で教えてくれているが、誰ともつるもうとしない私とは少し気まずいようだった。




「ありがとう」



表情を変えずにそう言うと、鞄を持って立ち上がり、彼女の隣を過ぎていく。



後ろの方で何故かきゃあきゃあと騒ぐ女の子たち。


気まずさ、羨望、興味、嫌悪、様々な視線が私に向けられる。




何故だか知らない。


知りたいとも思わない。



私は一度家に帰宅する。


歩いて15分程度で着く。


必要最低限のものしか置いてない殺風景な部屋で、シャワーを浴びていつもの仕事着に着替える。



武器は多いに越したことは無いけど、自分の携帯容量を超えると、重すぎて動きが鈍くなる。