†††


柔らかな木漏れ日が、カーテンの隙間から差し込む。


彼は椅子に腰掛けたまま、頬杖をつき、目の前にいる我が子を見据えた。


「…――で、何の用だ」


「…突然すみません、父上。ただ、…この先どうなさるおつもりかと」


真紅の髪とは対照的な、冷たい碧眼を彼は細めた。


「…何故知りたがる?私がこれから何をしようと、お前には支障はない」


「他の…誰かには、支障が出るということですか」


「………ライト」


低い声で名前を呼ばれ、ライトは体を強ばらせた。


「お前が何を考えているのか、私の知ることではないし、知りたくもない」


「………」


「ただ、もし私の邪魔をするのであれば、放っておくわけにはいかない」


ライトは軽く低頭し、小さく言った。


「…そんなつもりはありません。不躾な質問はもうしません」


「…わかれば良い。去れ」



言われるままに、無言で去っていく息子の後ろ姿を、彼もまた、黙って見送った。





木漏れ日が、僅かに揺れた。