はぁ、とてつもなく暇。
まぁいつも暇だけどね…

私は千里。年はまだ中学生とだけ言っておこうかな。

暇って言ってるってことは学校休み?
それとも、ズル休みだって?
ううん、違うの。


私は小学校入学前に親が事故で亡くなって、
お金がなくなってホームレスになった。

とはいえ別にお金がまったくないわけじゃない。
ただ普通より少なすぎるだけ。
でも学校には通えない。お金がないから。


今はお母さんの形見でもあり、
自分のしゅみでやってる水彩画を
1枚100円で販売している。
もちろん売ってもいいという許可は
得てる。

けど趣味のものを売っているだけではない。
ちゃんと「これは売り物になる」と思ったものを
厳しい目で選んでそれを売り物としている。
今日は70枚中22枚が売り物になった。

全部売れたとしても2200円しか儲けられないけど、
それでじゅうぶん。銭湯に入れるし、
少しお高めなカップラーメンだって食べれる。


とりあえず今、こつこつ頑張っていけば
そのうち誰かが私を拾ってくれて、幸せな未来が
あるだろうなぁって、そう思ってた。
…あ、お客さんかな?

「すみません」

「あ、はい。何でしょうか…?」

あ、この人カッコイイ!って言いたいけどどちらかと
いうとカワイイなのかな…?
中性的で、体つきは細いのにしっかりしてて
アイドルとかに多そうな容姿。
見た目は私と同い年くらいかな??何の用だろう。

「この絵と、この絵を下さい。
それとリクエストってお願いできますか?」

リクエストきちゃったよ…断らなきゃ。

「リクエストはお金かかりますし、
基本、受け付けていないんです。」

「そうですか…あの、質問とかいいですか?」

「学生ですよね?」とかかな。
まぁお話するのは好きだしいいけど。
あれかな、「人の要望も聞かずによく働けますね」
とかかな。まぁそんなの慣れてるし、ドンと来い!
って感じだけど。…あ、私の隣座った。

「どうぞ、何でしょうか?」

「えっと…一目惚れ、しました。」