早朝 道場にて





中から気合いの入った声がする


道場の外から、一と平助を見つめる



「中にどうぞ」

「いえ… 邪魔したくないので」



彩華は、隣に立つ近藤に話し出す




「あの方、沖田様?でしたか?
私、彼が近藤様と人を斬る所を見ました」



近藤は、彩華を見下ろす


「一と平助に、仲間を斬らせたりしないで」



「あぁ」


「もしも、やむを得ず
あの2人を使うなら、傷つかないように
お願い致します」


「あぁ」



「では… 失礼します」




深く頭を下げ帰っていく


彩華の背中が、力なくみえた


近藤は、不安を覚え


彩華を追った




「彩華君!」


「ん?なんです?」


「ここに、住み込みで働かないか?」



「……」



「ほら!一緒なら、安心だろう?」



「近藤様 私… 太夫なんです」



「え?」



「失礼します」








確かに〝彩華太夫〟の名前を

聞いたことがあり




近藤の中で、あぁと、納得がいった