将来の夢もなく、高校を卒業した私は就職をした。


スーパーで働く正社員として働き出した私だったが、そこで知り合った店長と恋に落ちてしまい、バレたくないからと店長に言われ、職場の人には内緒で付き合っていた。


学生の時とは違い、年の差はあるが大人の男を知った私は店長にハマっていた。


店長と付き合って二年が経った。


幸せだった私に、突然悲劇が訪れた……。


仕事帰りに車に乗ろうとしたら突然、後ろから髪の毛を引っ張られてしまった。


「痛った〜」


「あんた、人の旦那をよくもたぶらかしてくれたわね!」


見ず知らずの女性に突然、そんな事を言われてしまい意味がわからずにいた。


「私はそんな事はしてません」


「嘘をつくんじゃないわよ!若いからってよくも……」


「勘違いじゃないんですか?」


だって店長は独身だって言ってたし、絶対に私じゃないしこの人の勘違いに決まっている。


そう思っていたのは束の間で、彼女の口から聞いた名前に私は目を見開いた。


だってその女性が言った名前は店長の名前だったからだ。


「旦那はあなたに何度も誘われて、断ってるのにあまりにしつこいから飲みに行ったと言ってたわ。社長にも伝えたし二度と旦那に近づかないでちょうだい」


そう言ってその女性は帰っていった。
飲みに行く以外に、私は普通に付き合っていたし体だって何度も重ねてるけど……って今はそんな事よりもまずは店長に電話をしなきゃ!


私は急いで店長に電話を掛けたが繋がらない。


すると突然スマホに本社から電話が掛かって来て、取ると社長本人で「明日からこなくていい、君はクビだ」そう言われてしまった。


私は店長に遊ばれて騙されていたんだと知った。


職も失い、結婚すら意識していた店長にも裏切られた私は車に乗って家に帰った。