「この度はご愁傷様です」





何回目だろうか
この言葉を今日1日で何回聞いたのだろうか





つい先日私の兄がこの世を去った




兄のあの笑顔を見ることが出来ないと考えると、凄く切なくなる





ついに、1人になった





両親は小さい頃に他界





そのためいつも兄と私の2人だった





しかし、兄を失った今私は1人だ





葬式も終わり家に帰る道を歩く





雨が降っている





「そういえばあの夜も雨だったな」





あの夜とは兄が死んだと聞かされた時だ





雨の時は何かとろくなことがない





両親が死んだ日も雨だった





とことん雨は嫌いだ





まあ、今は梅雨の時期だし仕方ないといえば仕方ない





「兄さん」





どうして私を1人にしたの





どうして私をおいて逝ってしまったの





兄さん会いたいよ





叶いもしないことを願っても意味は無い





でも、兄さんを失って私の生きる意味はあるのだろうか





教えて兄さん





ドン





誰かにぶつかった





そう感じたのは、お尻に痛みを感じてからだった





「いってぇな」





相手の声が聞こえる





「すいません」





一応謝っとく。後々大事になったら面倒くさい





「あぁ?すいませんじゃねーんだよ!腕の骨折れたんだぞ!こっちは!」





折れるわけないでしょ。バカみたい





私は気にも止めず歩き出す





「おい!聞いてんのかよ!」





「うるさいなぁ。聞こえてるわよ。腕の骨が折れたから何?私に何かしろと?」





「そーだよ!何?それとも、体で払ってくれるって?」





結局は体かよ





「いいよ。お兄さん。」





「あ?いいのかよ」





「でも、私に勝ってからね」





そう簡単にはいどうぞって体を出すわけないでしょ





「あぁ?馬鹿にしてんのか?」





馬鹿にしてるねぇ





「そっちこそ馬鹿にしてるの?」





私の正体も知らないようだし





まあ、仕方ないか





じゃあ、これならどうかな?