それは突然だった

ジュディが持ってきた紙に載っていた姫花の姿だった

一瞬驚いた様子の潤也は、そのまま記事を読み続けた

「彼女・・ シアトルにいるのね」

「・・・・・・」

「次の仕事がロスなのも、運命なのかもしれないわよ?」

とジュディはそのまま続ける

「・・・・・・」

「コレ、今日の記事よ? 今も彼女はシアトルにいるのよ?」

「・・・・・・」

「何を迷っているの?」

「・・・・・・」

「ジュンヤ? 」

終始無言の潤也を覗き込みため息をつくジュディ

「はぁ・・・ なんか・・ ガッカリだわ・・」

潤也の表情をみたジュディは、そのまま隣の部屋へ行ってしまった

バタンとドアの閉まる音を聞きながら、潤也は再びジュディの持ってきた記事に目を落とす

最後にあったあの夜からそろそろ丸4年を迎えようとしている

潤也はいとおしそうに、画質の悪い姫花の写真をそっと撫でた

「はい」

てっきり隣の部屋にいると思っていたジュディがいつの間にか潤也の前に立ち、手を差し出してきたのだ