発してすぐ、後悔した。

“昨日、遅かったのか?”



理沙子が本調子だったら、『おめーには関係ねぇーww』と口悪く笑っただろうな。





理沙子が何時までどこにいようと。

誰といようと。

関える資格は俺にはない。



何様のつもりだよ。
身勝手な嫉妬心に、自分を恥じた。









バックミラーを見れば、いつの間にかシートに横たわっている姿が目に入った。
俺のジャケットに埋もれて寝息をたてる、ますます小さく見える体に。

今このときの彼女は、俺しか知らないという幼稚な優越感と。

だけどそれはいつも一瞬で。必ず手放すという焦燥感を。




感じていた。