「そうだな。行ってみよっか。」

楓也も皆も納得し、出発しようとしたときだった。

「痛!」

声を上げたのは、萌優だ。

萌優は落ちた際に足を捻挫してしまったらしい。

「大丈夫?私が背負って行こうか?」

そう言ったのは、澄海玲だった。

「ううん。大丈夫だよ。」

全然大丈夫じゃないのに、萌優は皆に迷惑をかけたくないがため、そう答えてしまう。

すると、龍樹が萌優のいる方へ行く。

「大丈夫じゃないでしょ!
女の子に背負わすのとか、俺男なんだから頼ってよ。」

そう言っておんぶの体勢になる。

「え……、でも。」