ケータイ小説 野いちご

【完】王様の命令は?

俺様、匠様
「全部、奪ってやる」






翌日。


登校してくる私を待っていたかのように席に座っている匠の姿があった。


なんで人の席に座ってんだか……



様子を伺いながらおそるおそる近づいていく。




「おはよう、柚奈。待ってたよ〜」




千紘が私に気づいて挨拶をくれるとその近くにいた男子3人の視線が向けられた。



柳瀬くんに志麻くん、匠。



今日から夏休みだというのにいつもと変わらず朝から登校してこいなんて、うちの文化祭実行委員は鬼だと思う。



こいつね。


この王様ね。




「おっせえなお前」



「えー……時間通りだよ」



「まあ、いい。じゃあ場所移動するか」



「えっ、クラスのみんなまだ来てないけど? 不在にしていーんですか」



「今日はこの5人で十分」




そう言いながら立ち上がる匠の肩を柳瀬くんが、おいおい…と苦笑いで軽く叩く。




「俺と志麻はクラス違うんだけどなぁ、匠?」



「千紘が相手しないんじゃ、お前暇に決まってんだろ。それに今日は、ちゃんと仕事したら残りは自由に遊べるって言われたし。このメンバーに何か文句でも?」




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