「…はぁ」

少し複雑な気持ちなのかもしれない。

あれから何度も取材を交渉してみたものも、やはり父親の意見は断固として却下。

挙句もう来ないでくれ、という言葉を受けて追い出されてしまった。

それから鳩瀬さんの家を後にし、俺は借りている民宿の自分の部屋へと戻ってきてそして今に至るのである。

初めての取材交渉で、そして却下されたからなのだろうか。

さっきから心は煮え切らない思いで溢れかえっていた。

「……取材は不可、か。」