数分程全力で走り続け、俺が転んだ時。

「アアアアアアアアア…」

耳元で声がした。

囁くような、粘着質で、口の中の唾液のような湿り気を帯びた声。

それが堪らなく怖くて、俺達は無我夢中で走り続け、障芽池の森の周囲に張られた有刺鉄線の前に出た。

俺と滋は無我夢中で外の大人達に助けを求め、滅茶苦茶に叫びまくった。

それに気づいた神主一族の大人達に助けられた。