放課後になった。
あたしは、帰宅部だからもう帰ります…。
瀬名も帰宅部だけど、さすがに一緒には帰らない。
たぶん、行く時は友達の甲斐理斗って人と行ってるから、帰りもそうなんだと思う。
なぜか、いつも帰りは瀬名に会わない。
あたしも、友達の美沙と帰ろ。
「美沙、帰りましょ」
「おっけー!帰ろ!あ、屋上行っていい?!忘れ物してたんだった!」
初登場の如月美沙。笑
あたしとは真逆の性格なんだけど、一緒にいて、心地いい。
中学のときからずっと友達。
二人で屋上に向かう。
「今日さ、由宇ちゃん可愛かったよね〜」
「そうね、あんなに可愛いんだから、彼氏いそうなのに」
「いるんじゃない?清楚なフリして」
「…それにしても…あたしもあんなふうになれたらな…」
「どうしたの?!真緒!」
「…だって、あたしもあんなふうに素直な性格だったら、瀬名に恋愛対象として見られるかもしれないじゃない…?」
「……もう!!!!可愛すぎ!!!!真緒!!!」
あたしに抱きついてくる美沙。
あたしもこんなこと普通にできるようになりたいよ…!
佐倉さんの検査は、検査といってもそんなに厳しいものじゃなかった。
「朝はこんなに長くなかったじゃん!もう〜今回だけね!」
そんな感じで、注意しながらも、相手を嫌な気にさせてなかった。
女子にも男子にも人気がある理由がよくわかった。
「ん?!ねえ、あれ…」
美沙が見ている方向に目をやると、そこには瀬名がいた。