黒を身にまとった死神と呼ばれる殺し屋は、殺しをする時に必ず嘲笑った。
今日も、また、嘲笑う。
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「わわわわ、わかった!!!金ならいくらでも払う!!!だからっ、助けてくれっ!!!」
真っ暗な路地裏で、ナイフを持った死神を目の前にでっぷりと太った男は四肢を震わせて腰を抜かしていた。
許しをこう男に死神はぴくりとも反応しない。
「うわああああ!!!たすけてくれええええ!!!!!!」
「……さあ、死にな」
やっと、言葉を発したかと思えば、その顔には嘲笑いが浮かんでいた。
そのままナイフを男の首元につけ、手を引く。
「ぎいやあああああああああああああ!!!!」
男は事切れた。