次の日、相変わらず清人とは気まずい空気の中、登下校は続けていた。


これは、私たちを繋ぐ唯一の繋がりのような気がして、どんなに気まずくて、言葉出なくても、止める事は出来なかった。



「花園ー、悪いな、数学準備室にコレ返してきてくれ」

「はい」


私は、先生からまた物差しや分度器の入った箱を受けとる。

私たちは、2週間後に迫った文化祭の準備に向けて、小道具を作っている。

それに使った物差しやらを、先生は私に頼んだ。


ーガサリッ

箱を受けとると、中身が揺れる。

普通の女の子よりは腕力ある方たけど、普通男子に頼まない?こういうの……。


「まりあ様、お持ちしま…」

「大丈夫よ、ありがとう」


それはにこやかな笑みを浮かべて、ファンから逃げる。

それにしても、2年の教室に行くの、少し気が引けるなぁ。

美樹さんの事、それから……。


どこまで本気か分からないけど、有谷君に告白された事もあるから、気まずい。


荷物を手に、階段を上がっていると、2年生の階の踊り場に、人影があった。


少し死角になるので、周りから見えない。