ー夏休みが開けた新学期。

9月、残暑の残る季節……秋になった。

今日も、いつものように清人と登校し、私は下駄箱の扉に手をかける。


ーガタンッ

ーバタバタバタッ、カサカサッ


下駄箱を開けた瞬間に起こる惨劇。
 
私の足元には、新学期も変わらずにプレゼントやら、ファンレターが落ちている。


「年中誕生日みたいだな」

「ちょっと、他人事だと思って……」


笑う清人を一睨みして、私はソレを拾い、鞄に詰めていく。

すると、その中にある、黒い封筒に目が奪われた。


………めずらしい。

いつも可愛らしいピンクや白の封筒が多かったのに、無地の黒い封筒なんて…。


「………?」

あれ、誰宛なのかも書いてない。

裏に、書いてある……のかな?

裏を返して見ても、宛先人の名前は無かった。


「まりあ、クラス行くぞ」

「あ、うん!!」


後で、封筒開けてみればいいか。

不審に思いながらも、私は封筒を手に、清人の後を追った。