「若菜ー!早く準備しなさい!由紀ちゃんまってるわよー!」

「はーい!今行くー!」

朝、私と由紀は中学からずっとテニス部にはいっている。私と由紀のダブルスは優勝経験がある。親友でダブルスで優勝って!
本当に私たちはすごいって!自分でも思う!

「ごめん!髪が上手く結べなくって!」
私は昨日の夜たくさん泣いた。そして心に決めた。 この気持ちは捨てようって。
下ろしていた髪を、ポニーテールにした。

「どうしたの!?いきなりしばって!」

「へへへー!イメチェン!やっぱり3年間同じ髪型だとつまらないかなー!って思って!」
本当の気持ちは言わない。傷つくから。
由紀も私も。

由紀は「かわいい!!」っと言って「私もしばろうかなー?」っと言った。

「尚人、おろしてる方が好きだよ?」
私がアドバイスすると由紀は一瞬悲しげな表情になった。
「えー!?もったいない!」
(え?)
私が疑問に思っていると
由紀はなにか思い出したように「あっ!」
っと言って聞きたくなかったことを言ってきた。
「昨日ね!尚人くんから電話がきたの!若菜が教えたの?」

「あっ…うん!尚人が教えてって!」

「そっかー!ありがとう!尚人くんが今日、若菜と私と尚人くんと友達でお弁当食べようだって!」

ズキン

(由紀、尚人と昨日の電話で仲良くなったんだね…そっか…。)