ケータイ小説 野いちご

初めての相手は無愛想上司

無愛想な私と上司
4



「光永の図面」



頭の上から声がした
顔を上げれば
1週間ぶりに見る顔だ



『お待ちください』


私は席を立ち、言われた図面棚へと向かう
好きだと言われても
俺の女だと言われても
結局、ここに用事が無ければ
関わりが無いのだ



『お待たせ致しました、社員証をーー』


私が言い終わる前にスーッと出された
バーコードを読み取り、社員証を返す

返却は1週間後、と言おうとしたら
ゴホンと咳払いをしている


……なんか、わざと臭い


小山課長を見ると
なんだか気まずそうにしている
伊藤さんは…トイレと言って席にいない
奥の机には蔵田課長がいる

チラリと蔵田課長に視線を送っている小山課長
「奥にいるから」と蔵田課長は
何故か資料庫へ行ってしまった


ちょ、ちょっと、と思いながら
蔵田課長を目で追っていると

おい、とぶっきらぼうな声が聞こえた

< 50/ 222 >