「必ず迎えにくるから。
ごめんね、少しの間待っててね。」






嘘つき。


「良い子にしててね。」




うそつき。




「じゃあね。」





ウソツキ!!!!!!












ー!!ー
「はぁ…はぁ…。また…おんなじ夢…」


変な冷や汗が額を流れていく。
あたしは重い気持ちのまま
疲れが取りきれていない体を起こした。



頭が痛い。

昔の事を思い出すと
いつも憂鬱になる。



あたしは、佐々原ひなた。
4歳の頃に母親はあたしを
おばあちゃんに預けて
家を出ていった。

父親は母と離婚した後、
病気で亡くなったと
その頃は聞かされていた。



おばあちゃんと一緒に住みだして
あたしはもう17歳になる。


親の勝手な離婚で
まだ幼かったあたしは
ただ毎日泣いては
母の帰りを日が暮れるまで
待っていた。


だけど母は
あたしの運動会にも
クリスマスにも
お正月にも
誕生日にも帰っては来なかった。



”あたしは母に捨てられた“


そう思うのに
時間はかからなかった。



もう待つのは疲れた。
幼いながら母を恨んだこと、
あたしは今でも忘れない。