「はぁ今日も何人の罪のない人間を葬ったことか。」

俺はため息をついた。


人間がここまで愚かだとは思いもしなかった。


先代の魔王、つまり俺の父にあたる魔人が人間に良くないことをしたのは知っていたが、ここまで嫌われていたとはな。


先代の魔王が討伐され俺の家族は悲しかった。


こんなことが二度と起きないように人間と魔族の共存を望んで人間界に行ったのに、まさか襲われるなんて。


こっちの被害も甚大だ。


そろそろなんとかしなければ。その時、


「パパッ!」

ガバッ!


「おぉ!我が息子よ!元気だったか?」

俺の息子、魔族の王子にあたる、ガルがやってきた。まだ、5歳だ。


「パパッ、あのね、あのね、人間の街に行きたいの!行ってもいい?」

「グハッッッ。」

そんな無邪気な目で見られると断れない。


だがしかし今人間の街に行けば危険だ。


「い・・・行くことは認められない。すまない。」

なんてことだ、自分の息子にも自由にさせられないなんて。俺は未熟者だ。


「そっか、そうだよね危ないもんね。ごめんねパパ無理言って。」

「グハッッッ。」

!!!そうだ護衛をつければいいのだ!


「ガル部隊よ!」

ザッ。

「はっ!何用でしょうか魔王様。」

甲冑を着た5人の魔族がやってきた。


「ガルが人間の街に行きたいらしい、お前らで護衛してくれぬか。」

「はっ!かしこまりました!」