カラカラカラカラと風鈴が何かに怯えたかのような音を出す。
それと同時に低いドドドドという低い音が鳴り地面が大きく揺れ出した。
尋常じゃない強さだ。
周りの建物が崩壊していく。

『やばい!地震だっ!逃げっ・・・』

その瞬間僕は気をなくした。

僕はゆっくりと目を覚ました。
最初に目にしたのは崩壊した東京。
今まで晴れていた東京は、世界の終わりのような灰色の世界をしていた。
何か温かくネチョッとした液体が手に伝わる感覚がした。

『血だ・・・ハルちゃん!シュン!』



『ここだよ・・・集・・・』

ハルちゃんのか細い声が聞こえた。
僕は声の聞こえる方向に目を向ける。

『ハルちゃん!ハル・・・ちゃん・・・』

ハルちゃんは大きなガレキに押し潰されていた。

『ハルちゃん!今助ける!シュン手伝え!』

『無理だよ・・・もういいの・・・私もうダメみたい。』

『何言ってるんだよ!僕はハルちゃんがいなきゃ!君が居なきゃダメなんだよぉ!そうだっ!シュンは!シュンが居ればどうにかな・・・』

僕の真横を見るとシュンが白目を向いて死んでいた。僕は言葉を失った。

『ありがとね。集。あなたは・・・生きてっ!』

ぐしゃくじゃの顔で涙を流しながらハルちゃんは言った。まるで私の分までと言わんばかりに。
それを最後にハルちゃんは目を閉じた。
僕の世界は崩壊した。
でも僕はハルちゃんに言われた
生きてっ!と・・・
僕は立ち上がる。
胸のらへんで激痛が走った

『えっ・・・?』

痛みの方に目をやると胸に鉄骨が刺さっていた。

僕は倒れた。

目の前が真っ白になる。

僕は・・・死んだ・・・