僕が 目を覚ましたのは 正午を過ぎた頃だった。

この時間は 両親は 既に仕事に出掛けていない

いつも忙しく活動している 双子の弟太陽も とっくに居ないであろう



家に いるのは 何も予定がない僕だけ……


僕は 布団から出ると パジャマのまま一階に降りて行った。

案の定 家には僕しかいない

食卓には ラップされた 僕の朝御飯が御盆にのって用意されたままの状態だった。


僕は 欠伸をすると スリッパを引きずるようにトイレに向かった。

鏡に映った僕は 今起きたでしょうと、突っ込まれるぐらい髪が乱れていた。





ジヤーーーーーーーーーッ‼




僕は トイレから出ると 目の前に背が高く 目がくりっとした 女の子が立っていた。

僕は ≪おはよう≫と、

声をかけ そのまま彼女の横を通りすぎ 一、二秒後に立ち止まった。


≪誰?≫


そう思い 振り返った瞬間‼


《太陽‼

誰よ あの女‼》




≪太…陽…?≫

そう 女の子は叫び 平手を僕に向かって振るった‼


パチーーーーーーーーーーーン‼


僕の頬は 熱い痛みに襲われた。

彼女の攻撃はそれだけじゃ終わらず 下半身を大きく振りかぶる

短いスカートが捲れ 僕はその中に見えるものに目を奪われた。



次の瞬間


後頭部に 強い衝撃が走り 目の前が暗くなった僕は 腰から床に崩れ落ちた。



そこえ



ガチャッ‼


『ただいま…』



当事者の太陽が帰ってきた。


『日向…お前、何やってんだ?』


《えっ……》


日向と呼ばれた女の子は 僕と太陽を何度も×5
交互に見ながら驚いていた。




《月狼君ご免なさい……》



事情を聞いた日向は 申し訳なさそうに手を合わせ頭を下げてきた。


『ふぅ…

俺がお前以外の女と一緒にいるなんて有り得ないだろう。』


《だって…あたし見たもん…

太陽が 他の女と…いるところを…》


『俺は 部活で忙しいの

日向以外の女と遊ぶ暇なんてねぇよ‼

もしかして 月狼と間違えたんじゃないか?』


日向は 僕を見る。


僕は 可愛い女の子に見つめられる経験がないので 彼女に見つめら赤面した。


《だけど…》

日向は そう言いかけたが 太陽が彼女の肩をがっしりと掴み 彼女を見つめて言った。



『俺が信じられないのか?』


日向は 太陽を見つめ 顔を紅く染めた。


僕は恋愛ドラマでしか見たことのないシチュエーションを目の当たりにした。




とてもいづらい……



この空間に 僕の居場所なんて 完全になかった。


僕は 太陽と彼女に気を使い 家を出た。


気がつけば 学校に来ていた。



そして その足は部室にと向かっていた。