「付き合って、下さい」


「えーっと……」



カナと下校中、俺達の目の前に現れた見た事もない女の子。


片上の黒髪おかっぱで地味な超が付くほどの平凡顔。



「……アンタ、誰?」


カナが眉の間に皺を作って言う。


自分の方が何倍も優っているという自信があるせいか、

カナからは敵意は感じられない。



「……」



照れる訳でもなく、困る訳でもなく、真顔で表情も変えない女の子。


こんな地味な子、知り合いだっけ。


もちろん、俺の事だから見知らぬ女の子からの告白は良く受ける。


が、そんな子はたいてい顔を赤らめるはずだ。