「いっくん、朝だよ~起きて~。」



「ん~。。」




パジャマを脱ぎながら、隣で眠っていた息子を起こす。


5才になる息子は、眠たい目を擦るとモゾモゾと布団から出てきた。


寝癖のついたフワフワの髪。
よだれの乾いた跡。


あぁ、可愛すぎる。。




「ママ、おはよー。」



「ん~、おはよ。ぎゅ~♪」




朝のいつもの恒例、ぎゅ~。


いつまでこんな可愛いことをしてくれるんだろう。


『うぜーよ。』とか言うようになったら…




「ママ、ちこくするよ。」



「あ、そうだね。さ、朝ごはんだ~!」




我に帰ると、気を取り直して朝ごはんの準備へキッチンに向かった。




私、高間 亜紀(タカマ アキ)。32歳。
見ての通り、バツイチ子持ち。



別れた旦那は、世に言う“ダメヒモ男”だった。


仕事をクビになってから家で飲んだくれて、働き口が決まったと思ったら長続きせず、また家でごろごろと酒を飲み、子育てしながら働く私に暴力を振るうようになった。



このままじゃあ、子供にも手をあげるかもしれない。



そう思って、離婚した。



旦那はごねたけど、私は体のアザを武器にして離婚届にサインさせた。



そして私は、息子と二人になった今に至る。




「今日、夕ごはん何がいい?」



「ママのごはんなら何でもいいよ!」



「え~なんで?」



「だって、ママのごはん、
ぜんぶ美味しいもん。」




そして、私の宝物…郁斗(イクト)。
私はいっくんと呼んでる。



いっくんは、本当にいい子。
心配になるくらいいい子。



仕事で忙しくする私に、小さいながらも気を使ってなのかワガママの1つも言わない。



それが良いことなんて、母親としてよくないかもしれないけど私はその分出来るだけ愛情を注ごうと努力してるつもり。



実際は本当に愛情が注げているのかは、自己満足なんだけどね。




そんなこんなで私は毎日、仕事と子育てに生きている。