第一王子 セナ は剣の訓練を終え
母のところへ足を運んだ。

「失礼します、母上」
「どうぞ、お入りなさい」

王妃から声がかかるのを待って、セナはゆっくりとドアを開けると
王妃はベットに上半身を起こした状態で座っていた。
元々病弱な王妃はベットにいることが多いが、ここ最近は体調不良が続きベットから出られない日々が続いていた。

「セナ、わざわざ来てもらってごめんなさいね。でも、どうしても直接会って話したかったのよ」

そう言って王妃は悲しそうな顔をセナに向けた。
王妃の話に、セナも心当たりがあった
近々自分から王妃である母に相談に来ようと思っていたのだ。

「いいえ。自分も聞きたいことがありましたので…」
「そう、回りがいくら隠しても気づいてしまうものね」
「……」

二人の間に緊張感が走る。

先に沈黙を破ったのは王妃だった。
王妃は少し息を吐いてから笑顔でセナの目を見ながら言った。

「セナ、弟が出来るわよ」
「……??」
「お母さん、妊娠してたみたい」
「え?!!」