「本当に、修吾なの?」

「だから先ほどからそう言ってるじゃないですか。ちなみに、10分前からあなたの左隣で待っていたんですけどね」

気がつくはずがない。私の中の修吾の記憶と明らかにかけ離れている目の前の人物。

可愛らしくてあどけなくて子犬のような修吾は、どこか冷めていて表情も乏しい男性になっていたのだから。


「・・・それにしても、よく食べますね」

「へっ?あっだって美味しくて手が止まらなくて。ほら、修吾も食べなよ。鶏肉好きでしょ?」

びっくりする再会の後、話もそこそこ向かったのは少し、こじんまりとした焼き鳥屋。

修吾にリクエストを聞いたのに何でもいいと言われ、私が決めた。

ここの焼き鳥屋は短大の頃、よく通ってた。あの私を小馬鹿にした花奈とも。

今日は久しぶりだし、お給料も入って無礼講だと次から次へと頼むと修吾がドン引きしていた。

「・・・で、話ってなんなんですか?」

いただきますと仏頂面で焼き鳥を頬張る修吾。口に頬張ったまま話すその仕草に少しだけ懐かしさを覚えた。


ああ、本当修吾だなって。