お見合いが2週間後に決まったと連絡が来たのは、あの食事から数日後の夕方だった。
その連絡を聞いて、私の帰り足はあのバーへと向かう。

珍しく私の方が遅く、彼はカウンターに座っていつものお酒を飲んでいた。

「久しぶり。」

そう声をかけて、彼のとなりに座る。

「避けられてるのかと思ってた。」
「まさか。ここへ来たのも、あなたと最後に会った日以来よ。」
「それなら良かった。」

そういう彼の顔をチラッと見るけれど、前と変わらず貧血だった。

「仕事、忙しいの?」
「え、あ、うん。それなりに。」
「そっか。大変だね。」