ケータイ小説 野いちご

Tokyo Dark Side

許せない奴がいる

とある自動車修理工場。

電話が鳴る。

応対する事務員。

「槙原さん」

事務員は、工場内で働いている工員に向かって言った。

「奥さん、無事赤ちゃん生まれたって」

「ホントですか!」

槙原と呼ばれた若い工員の表情が、パッと華やいだ。

結婚して初めて授かった命。

待ちに待った我が子の誕生。

その喜びは、ひとしおだろう。

この日が来るのを待っていた。

予定日である今日も、朝からずっとソワソワしていたのだ。

「俺、ちょっと病院行ってきます!」

浮き足立って工場内から出て行こうとする槙原。


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