「すみませんっっっっ!」

蓮杖探偵事務所。

カジモトは巽や倉本、耕介の前で土下座する。

「俺が付いていながらっ、環さんが行方不明になるなんてっ!全部!全部俺の責任ですっ!逮捕でも何でもして下さいっ!」

「頭を上げろ、カジモトくん」

倉本が、床に額を擦り付けたままのカジモトの肩を叩いた。

「お前が土下座した所で、環が戻って来る訳じゃない。それにお前は、ちゃんとテレビ局まで環を送り届けたんだろ?ならお前に落ち度はない」

「は、はい…」

巽の言葉に、土下座したまま返事するカジモト。

…無論嘘だ。

土下座したままの伏せた顔は、嘲笑に歪んでいる。