2歩3歩と、象男が下がる。

耕介、松岡と、腕っ節自慢の相手と幾度も交戦した象男だが、ここまであからさまにダメージを負った姿を見せたのは初めてだ。

「我が信仰する神マハルーチカに、ここまで反抗するとは…愚者め…神敵に値する」

呼吸を僅かに乱しながら、呪詛にも似た言葉を吐く象男。

「貴様の勝手な信仰で、これ以上の犠牲者を出す訳にはいかん」

「犠牲者ではない。生贄だ。神マハルーチカへの神聖なる供物である」

「それが勝手な信仰だというんだ」

倉本は身を翻し。

「!!!!!!」

後ろ回し蹴り!

象男のどてっ腹に蹴りはめり込み、そのまま象男の巨体は壁を突き抜けて、階下へと転落する!