実技試験当日。


「あー彼女不足でやばい、キスしたい、ハグしたい、触りたい」

「お前ヘンタイだな」

「おれは彼女限定のヘンタイなのー女子全員に対するヘンタイのお前とは違うのー」

「ヘンタイではない！
フェミニストだ！」




「ねね、さっきから変な会話が聞こえてくるんだけど……」

「気にしないの。
世の中いろんな人がいるのよ」

「そうなの…？」


現在、ティアとアンジュは二人で実技試験会場である競技場に向かって歩いていた。


実技試験は対戦形式。
同じクラスの内の誰かと魔法決闘をするのだ。
勿論勝てるに越したことはないが、負けても対戦中の様子も見て評価をつける。

アンジュはこの実技試験が不安で、入学当初からずっとティアに魔法を教えてもらってきた。
遂にその成果を見せるときが来たのだ。

アンジュはもうドキドキしっぱなしである。


「どうしよう…大丈夫かな……」

「大丈夫よ！
3か月も練習してたのよ？
他の人の何倍も練習してるんだもの、自信持って大丈夫よ」

「ほ、ほんと…？」

「ほんと。
ほら、どうせやんなきゃだめなんだから、行きましょ。
みんな待ってるわよ。
みんなの試合も見れるんだし、楽しめるわよ」


ティアはそう言って渋るアンジュを無理矢理引きずっていった。