おまえのことを隅々まで知りたいんだ。だから本当の恋をしよう。



時代は江戸時代。






ありんすこく、

今で言う吉原にいた花魁の話である。







わっちは10歳の頃から
ずっとずっとこの檻に
鎖されていた。







ただただ、
客に身体だけを任せて
本能のまま交わる。







たくさん唇を這わせても
気持ちがない。
そんな寂しさをどれだけ
味わったか。








「文ー指名よ。いつもの御客様」






「 はい。今から参ります。」







「 きょうも宜しくお願いいたす。」

御客様はそうニヤリと言った。





そして、また始まるのか…。