プルルルル……

何回かのコールの後、

懐かしい声が聞こえてきた。

『 もしもし。朋莉?なんで 急に電話⁇
LINEすればいいのに〜 』

「 ……あ‥亜紀……。どう…じよう… 」

やばい。

涙声〜。

『 ちょちょちょっ! なに⁉︎
本気でどうしたの⁉︎ 』

「 高井と…… 高井と……… 」

『 高井と⁉︎ 』

「 ケンカしちゃったよ〜〜〜…… 」

涙声がなおんないよ〜〜〜。

涙が止まんないんだから、当たり前か。

『 はいっ⁉︎ なんで!
よりによって なんで今日⁉︎ 』

「 どーしよー…。
明日、バレンタインなのにぃ………」

『 ばかっ‼︎ 泣き言 言って、どうするの‼︎ 』

「 だって…… 」

『 だってじゃない‼︎ 』

うっ。

怒ってる。

『 せっかく、渡すって決めたんじゃん‼︎
今さら 泣いたって、どうにもならないよ!』

「 亜紀…… 」

『 まさか、渡すの やめるなんて言うんじゃないよね?
ここでやめたら、朋莉の 高井への想いは、そんなだけってことだよ?
違うでしょ?朋莉なら、頑張れるでしょ? 』

「 …… うんっ 」

亜紀の優しさが、

痛いほど伝わってきて。

がんばらなきゃ って、

前に進まなきゃ って。

そう、

思えた。

『 もしもし?朋莉〜? 』

「 亜紀っ! あたし、がんばるから‼︎
絶対に、チョコを渡すから‼︎ 」

『 うんうん。そのいきだ!』

あたし、亜紀と友達で 本当に良かった。

だから、

だから!

あたしも 高井に、友達で良かった って、

思ってもらえるようにならなきゃ‼︎