ざわ…ざわ…

教室に生徒が入ってくる。

ざわ…

「あれ?あの人誰」

「松美さんの席じゃない?」

「え!?アレが!?」

ざわ…

「オイ…松美…かわいくね?」

「うん…まるで女優のようである。」

ざわ…

「やったな春樹!」

「ばーかこれからだ」

佐々木涼太が来た。

「おはよう松美さん」

「お。おはよう」

やっぱりしゃべり方はボソボソしてるけど…笑顔はいいぞ、彼方

「髪型かわいいね。似合ってるよ」

「ありがとっ」

緊張している。わかる。だがしっかりしろ!

皆がざわつきながらも、2人のやり取りに注目していた。

とりあえず彼方は目立っている。

それは、以前のおとなしいくせにビッチ、というイメージではなく、
とりあえず、髪の毛をきって貞子ではなくなりかわいくなった女の子に。

「何あれ。涼太とまたいちゃついてる」

「やっぱビッチじゃん」

聞こえる。
彼方の悪口だ。

「お…」

「春樹」

「なんだよ…」

凛が笑っている。

大丈夫。

無くして見せる。

こいつの笑顔は本当にコワイ。