しかし、滝川もちゃんと考えたもんだ。
人気者の自分。
争いの標的になる女が私みたいな性格の悪い女なら構わないって?

こうして難を越えられる私だから、
奴は選んだんだ。

とことん利用されてんじゃん?

次に会ったら1発殴り飛ばしてみたい。


.........次に会ったら、


どんな顔をしてるんだろう。


思い出すのは、この前の優しい笑顔。
何を考えてるんだろう。
なんか...できれば会いたくない。
関わりたくない。





。。。。。。。。。。。



「櫻井さんが居なくなった後は、何様のつもり!って叫んでましたよ」

「だろうね」


休み時間、珍しく佐々木さんの方から寄ってきて、報告をしてくれた。

正直
今朝は驚いたと同時に嬉しい気持ちも少しあった。
まさか佐々木さんが言い返すとは...。


「佐々木さんは怒らないの?何様のつもりよって」

「一度言ってますから」

「そうだった」


振っただの騒いでた時か。
そーいや言われたなぁ。

佐々木さんは、主の居ない隣の席に座った。


「滝川くんの事、ほんとに何とも思ってないんですか?」

「ウザいと思ってる。」

「櫻井さんぐらいですよ、そう言うの」

「ちゃらんぽらん、じゃん」



...悪口?

いや、それは悪口じゃないぞ。
イメージを言っただけ。

佐々木さんは目を見開いて
言葉を失くした。


「.....なに?」

「ちゃらんぽらん!?」

「うん。しみじみしない男」

「な.......ッ!」


また興奮しだした。
今日の佐々木さんは荒れてるなぁ。