「出席番号16番、桐島琴乃です。
昨年は3組でした。部活動は吹奏楽部です。
皆さんと一緒に、楽しい一年を作りたいと
思っています。
よろしくお願いします!」
教室にいる全員に礼をして、自分の席に帰る……
たった、それだけの事。
それが出来ないのが私、桐島琴乃である。
ガツッという音がしたかと思うと、
私の身体は地面に打ち付けられる。
「うわ、痛そー……」
……はい、おっしゃる通り痛いです。
身体の打った所より何より、
私の心と存在が大変痛いです……!
うぅ……進級早々恥ずかしいなぁ……
これで私は、クラスで最初に転んだ人として
笑われていくんだ……
恥ずかしいやら情けないやらで、
涙が出てきたよ……