ケータイ小説 野いちご

ここにあるもの。

涙のダム



「泣いても いいんだよ」


彼は長い睫毛を
ゆっくりと伏せて

ほんの少し
笑ってみせる


そんなことに
私の瞳から涙がおちた


泣いた後は嫌いだった

瞼は腫れて視界が悪く
渇れた喉は痛くて


けれど


泣きはらして
きっと酷い顔をした私に

彼は長い睫毛を
ゆっくりと伏せて

ほんの少し
笑ってみせて


「もう、大丈夫」


彼がそう言った


だから
きっと

私は大丈夫


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