ケータイ小説 野いちご

ここにあるもの。

窓の向こう



窓の向こうを眺める君の横顔が
鮮明に私の記憶を支配する

揺れ動くカーテンは
その瞳に映しているのか
きっと、君しか、わからないこと

君の名を呼ぼうと、開いた口は
何も発してはくれなくて

けれど君はゆっくりと振り向いた

その瞳は私を見ているのに
見ているはずなのに
君のその瞳に私はいない

私を見てと
君の名を呼ぼうと、開いた口は
何も発してはくれなくて

ひどく優しく微笑む君は
私の名を口にする

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