高林の言った言葉なんて全く気にしていなかった。
ただ俺は、高林に繋がれているまやの手を奪いたかった。
扉も閉めて行った高林達は、バタバタとどこかへ走り去っていった。
「ゆ、ゆうくん…?」
後ろで俺の手を引いている女。
「何しに来たんだ?こんな所まで」
まや以外の女と手を繋ぐなんて、気持ち悪いとしか感じられない。
「何って、私はゆうくんを探しにここに来たの!」
「だから、何で来たんだ
麻里子」
麻里子、そいつは俺と幼なじみだった。
けど、あの事件を知って俺と距離を遠ざけた。
悪口も言われ続けてきた。