「ちょっとアンタ、こっち来いよ」

「え?」

「お前だよ。杏?だかって言ったっけ?」

「どうしたんですか?」

「いや、どうしたんですか?じゃねえよ」


周りがざわめき出す。
梨沙がとっても不安そうにこっちを見てたから、早くこの場を離れないと。そう思った。


「ごめんなさい。ここじゃ目立つので、別のところに行きませんか?」

「最初からそのつもり。行くよ。」


普段はかわいいであろう顔が、とっても怖かった。
先輩だから、っていうのもきっとあるけど…。


「アンタさ、ちょっと調子に乗ってんじゃなーい?」

「竜樹といる時点でマジキモイ笑」

「あんたと竜樹、つりあってるとでもおもってんのー?」