どれくらいそうしていたんだろう。 一方的に私が話して、黒川くんは聞いているだけ。 会話が途切れてお互い無言になると、その空間に音はなかった。 だけど、しっかりと手は繋がっていて。 なんでかはわからない。 でも、すごくすごく、安心できた。 「本当にサボっちゃったね」 「だな」 気が付けば放課後になっていて、廊下からは生徒の声がちらほら聞こえていた。