«升也side»


『篠崎 晴ーHaru Shinozakiー(26)』

あの後コンサートは中止、俺達は車に戻った。

押し付けられた名刺には、そう書いてあった。

俺と同い年、か…

それにしてもあのガキ、なんで俺を見破った?

今まで誰にも気付かれなかったのに。

「…なぁ、升也。
俺達にも内緒にしてることあんのか?」

「なに言ってんだよ、あの子の言うこと真に受けるのか?」

「それもそうだけど…」

確か、高校2年とか言ってたな。
この篠崎晴の患者か…

どうでもいいが、俺は借りたモンをきっちり返すタイプなんだよ。

『総合病院』ね。
待ってろよ、クソガキが。

俺はマネージャーに、明日の予定を聞く。

「明日は午前にドラマの撮影、午後に番組出演が2本入ってるけど…。

なにか予定あった?」

「いや…
撮影は他県?」

「ううん、動かないよ。」

ふぅん…じゃあ昼にでも行ってみるかな。