『…俺になんの用だ。』


まだ痛む頭を撫でながら玲を睨む。


「あぁ、率直に言うぞ。
神崎いや、蒼翔。『双覇』に入れ。」


『はぁ?』


コイツ馬鹿?もう一回言う馬鹿なの??


「ねぇねぇ蒼翔!入ろ~??」


『誰が入るか。』


ピキッと空気が凍りついた。


「なんだと…?」


私の言葉に不満があるのか玲が睨んできた。


ぜっんぜん怖くないんですけど?


『俺がクラスに入った時なんつった?
『関わらないでくれ』って言った筈だ。』


「………言った。」


『聞いてたのは類だけか?その耳は飾りか??』


「黙って聞いてれば調子乗りやがって!!」


「止めなさい!愁斗!!」


『俺を、殴りたいか?』


殴りかかろうとしている
愁斗に煽るように言葉をかける。


「離せ李樹!!
コイツ一発ぶん殴らねぇと気がすまねぇー!」


『はぁ?俺がお前ごときに??
笑わせるなよ。』


「「「「「ッ!?」」」」」


『用はそれだけか?
それじゃあ、話は終わりだな。』


硬直する玲達を残して屋上を出ようとすると、


「待てよ!!」


ガシッ!


玲が私の腕を掴んだ。

その瞬間、嫌悪感が私を支配した。