タン、タタン、タタン…無心で流れてくる

ノーツを捌き切り、画面に目をやると一面

に「CLEAR」の文字が飛び出ていた。


初夏を迎えようかという、陽気で汗ばむ日

に俺は一人新作の音楽ゲームと対峙してい

た。目新しいものにはすぐ飛びつく癖があ

り、たまたまゲームセンターで見かけたそ

の筐体に不思議な魅力を感じ、気づくと数

時間と没頭していた。一旦始めてしまうと

気が済むまで突き進めてしまうか、極めな

いと気が済まない、良くも悪くも諦めの悪

い性格を俺は有しているようで、目標とし

ているレベルの曲をクリアするまでは決し

て帰ろうとはしなかったのであった。