ケータイ小説 野いちご

無気力系男子がホンキを出したら

無気力幼なじみ



「ふ、風斗(ふうと)君のことが好きなの!良かったら、私と付き合って下さいっ!」



放課後の体育館裏で、偶然告白現場に遭遇した。


思わず立ち止まってしまったのは、告白してる女の子があたしの大好きな人の名前を呼んだから。


校舎の影に身を潜めて聞き耳を立てる。


委員会の仕事ですっかり遅くなってしまったから、もう人は残っていないと思っていた。


それなのにーー。



オレンジ色に染まる体育館裏に伸びる2つの影を見つめながら、胸の辺りで拳をギュッと握る。



「お、お願い……!私、風斗君のことが本当に好きで」



何も答えない風斗に女の子が執拗に攻める。


相当切羽詰まっているのか、女の子の声は今にも泣き出しそうなほど。



ーーズキン



胸が痛い。


風斗はなんて返事をするのかな。



「俺、付き合うとかよくわかんないんだよね」



聞こえたのは、いつもの抑揚のない淡々とした声。


何事にも興味がなくてやる気のない風斗は、思ったことや感情をそのまま口にしてしまう。


ストレートで飾らないのがいいところではあるんだけど。


キツいことも悪びれなく真顔でズバッと言うから、女子の間では『冷たい』とか『クール』なんて言われている。



それにーー。


嬉しかったり楽しかったりしても表情にまったく出ないから、余計にそう見えやすいのかもしれない。


はしゃぐタイプでもないし、ただ静かにその場にいるだけ。


あんまり喋らないけど、誰もが認めるほどバツグンの容姿と存在感を放っているから、人の目を惹きつける。


だから風斗は学年でも結構モテている方なんだ。


告白されるのもしょっちゅうのこと。



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