「うぅぅ~…夏夜ぁ~っ」


クラスに戻るとがばりと親友に抱きつく。

不本意ながらでも授業をサボってしまった私はその後、担任の西山先生に呼び出しをくらい、初のお説教をくらった。

そのため、心に負った傷は海よりも深くて短時間では癒えそうにもない。


「ドンマイとしか言えないわね」


よしよし、と頭を撫でながらそれ以上の言葉はあえてかけない夏夜。

サボってしまったことは覆しようもない事実だから、私が怒られるのも当たり前だ。


だけどどうも納得できないのが――…


「なんで咲間くんは説教されないの!?」


そう。

私を屋上に連れ出して尚且つ扉を閉めて帰れないようにした張本人の咲間くんは説教されなかったのだ。


「まぁ、咲間だからじゃない?」

「なにそれーっ」