1週間が経ち本格的に授業が始まった。
クラスにも馴染み楽しい高校生活を送っている。


「高瀬!!」

「高岡くん?どうしたの?」

「お前さ部活入ってなかったよな?」

「うん、入ってないけど」


私が答えれば満面な笑みで私を見てきた。


「頼む!!マネージャーやってくんねぇ!?」


祈る様に手を合わせる高岡くん。
ビックリした、マネージャーか。
屈託のないその笑顔を見ると断りずらい。
でも……。


「ごめん、私は部活に入る気ないから」

「そこを何とか!!」

「そう言われても……」


困ったな。
喰らい付いて来る高岡くんに苦笑いを浮かべた。

高岡くんの力にはなりたい。
だけど部活には入りたくないし。
困り果てていれば高岡くんは両手を顔の前で合わせて頭を下げた。


「じゃあ見学だけでも!なっ!!」

「……見学くらいなら」


彼の熱に押されて渋々に答えれば高岡くんはパァッと笑顔になった。


「サンキュウ!じゃあ放課後に案内するから!!」


そう言って教室を飛び出す高岡くん。
よっぽど嬉しかったのか扉でクラスの人とハイタッチをしながら出て行った。


「何だアイツ??」

「さあ?」


クラスの人と顔を見合わせながら苦笑いを浮かべた。

そういえば高岡くんって何の部活に入っているのだろう。
スポーツマンという感じだが。
野球ではなさそうだし、サッカーとか?


「真希!」

「由梨?どうしたの?」


高岡くんと入れ違う様に教室に入ってきた由梨。
どこか嬉しそうに私の顔を覗き込んできた。