「う…ん……」

頭に響くような声を聞いたあと意識が無い。目は覚めたんだけど。ここどこ?

「……あ、早苗」

「由紀。ここどこだろ……」

見た感じ灰色の煉瓦ではないから……。きっと夢幻の館だろう。それにしても、

「……由紀は頭に響くような声聞こえた?」


「………ん?なにも?私は目の前がぐにゃってなって意識が途切れただけ。」

……なぜ?
私だけ聞こえたのだろうか。あんな声が……。


約5分後には皆目を覚まし、私が聞いても誰も声を聞いていないという。

「とにかく行こっ?由美速く行きたいなぁ。」

「はいはい!行こうか!」

とにかく今は夢幻の館に来れたことを嬉しく思いながら精霊を探そう。
声のことは良いや。あとで考えても祟られないしね。

私たちが見た夢幻の館は私の家にちょっとだけ似ていた。だから一瞬だけ……そう、一瞬だけ母親が私を気絶させたのかって思った。でもおかしい庭の草が枯れてる…だから。ここは……夢幻の館だ。

とにかく、中に入ろう。