案の定、彼は来なかった。


春休みがおわり、

借りた本を返しに来てた生徒や地域の人々が多くて、返却に時間がかかったが、なんとか春休み明けのはじめの日を終えることができた。

そして今は、金曜日の仕事を終えて、塾に来ている。


「今日はなんだか上の空だね??まひろちゃん。」


「わっ!?ま、まきちゃん!」


「ちゃんじゃないだろ?」


「ご、ごめん、でも驚かさないでよぉ、、、」


「あはっ!ごめんごめん。んで?どうして上の空なのかなぁ?もしかして」

「ちがう。」

「まだ何も言ってないんですケド、、、」


彼は尾藤万樹。女の子っぽい名前だからまきちゃんてみんな呼んでる。

ちなみに、、、

「まぁそれより。今日も紗希様美しかったなぁ、、、!!!!」


紗希厨の一人である。


「そんなに好きなら告白しなよ、、、まきちゃん、顔は悪くないし、紗希もゆらぐかもよ?」


「紗希様は俺みたいな男に揺らぐような女性ではないんだよ!!!」


見てのとおり、めんどくさい奴だ。だが今のまきちゃんの発言には同意する。




「まきちゃん」


「なに?まひろちゃん。」


「私明日も出勤だから、もう帰るね!おつかれさま~」


「うそ!?待ってよ!!」


「お先!」




根はいい奴なんだけどね。



まず私は明日のスケジュールと、小野寺君のこと考えないと、、、



明日はもっと、忙しいから。